ジャグラスジャグラー「逃げていい」と言えるヒーロー
- takahashihedora197
- 2021年1月25日
- 読了時間: 8分
更新日:2021年1月26日
おはようこんにちはさようなら
シン・ヘドラです。
前回の記事(下記のリンクから飛んでください)のなかで、円谷プロの「ウルトラシリーズが好き」と言う話を序盤にしたのですが、今回はそこを題材にした内容にします。
↓前回の記事

ただ、今回触れるのはウルトラマンではなく、「ウルトラマンオーブ」から登場した、
「ジャグラスジャグラー」と言う人物についてです。
彼は「ウルトラマンを夢見たが叶わず、様々な傷や闇を背負いながら生きている」人物です。
ヒーローといえば「全力で立ち向かうこと」や、「諦めない心」みたいなものを教えてくれる事が多いですが、ジャグラーは「本当に辛い時や無理だと思うときは逃げてもいい」ということを教えてくれました。
そんなわけで今回はジャグラーの経緯と、彼から感じたこと書いていきたいと思います。
①ウルトラマンになれなかった男(ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA)
まずはジャグラスジャグラー(以降ジャグラー)の経緯を説明していこうと思います。
(見出しの赤文字は出来事が起こった作品名です)
ジャグラーは元々、「ガイ」と言う青年と、様々な宇宙で平和のために戦う「光の戦士」を目指す青年でした。
(左 ガイ 右 ジャグラー)

ジャグラーは、選ばれし者のみに与えられる「ウルトラマンの力」を求めて、ガイと共に「惑星O-50」の「戦士の頂」と言う場所に向かいます。
そこには大きな光の輪があり、ジャグラーは力を求めて光に手を伸ばしました。
ところが、ウルトラマンの力に選ばれたのは、相棒のガイでした。
↓(ガイが変身したウルトラマンオーブ)

ジャグラーは「自分の方が戦士としての覚悟や実力は上のはずなのに…!」と嫉妬を抱きつつ、まだ未熟なガイをサポートしながら共に戦いを乗り越えてきました。
しかしある出来事でジャグラーとガイは決別してしまいます。
惑星カノンで起きた戦争を鎮めに行った2人。
そこでは「命の木」と呼ばれる、大きな力を持つ木が民にとって大事なシンボルでした。ただ、同時にこれこそが戦争の原因となっていました。

ジャグラーは戦争の最中、様々な出来事に対し、「自身の無力さ」に怒りを感じていき、遂には力が覚醒します。(↓ジャグラスジャグラー魔人体)

「とにかく戦争を終わらせたい」と思っていたジャグラーは、戦争の原因である「命の木」を切ってしまいます。
民は大事なシンボルを失ったことに絶望しつつも、結果的に戦争は収まりました。

しかしこの結果に対し、応援に駆けつけていたアスカ・シン(ウルトラマンダイナ)から
「それは光の戦士の戦い方じゃない」
(その地で大事にしてきた事を無視して、感情任せに自分の正義をぶつけた)
と自分の行動を否定されてしまいます。
自分がもう「『光の戦士』として相応しくない」と感じたジャグラーは、ガイの元を去り、様々な戦いに1人で身を投じていきました。
次第に傷つき、挫折し、「ウルトラマンとして選ばれたガイ」(またはウルトラマンという存在そのもの)に対する嫉妬で心の闇を大きくしていきます。
かつての真面目で人情深い性格は徐々に薄れ、狂気と嫉妬に満ち溢れた性格へと変わっていきました。
①捨て切れなかった心の光(ウルトラマンオーブ)
それからジャグラーはガイを執拗に追い掛け回して地球にやってきます。
怪獣を差し向けたり、自らが変身して、何度も戦いを仕掛けますが毎回敗れました。
その度にジャグラーの心の闇は更に大きくなっていきました。
(「ウルトラマンオーブ」でのジャグラー)

心の闇がピークに達したジャグラーはガイを地球もろとも消し去るために、全てを食い尽くす大魔王獣「マガタノオロチ」を復活させます。
防衛隊やウルトラマンオーブによる応戦も跳ね除け、絶望に陥れます。

しかしジャグラーは、戦いの最中に墜落してきた戦闘機から、ガイの大切な仲間を咄嗟に庇います。
ジャグラーの心にまだ光が残っていると感じたガイは、ジャグラーを叱咤激励し、共にマガタノオロチに立ち向かいます。

何とかマガタノオロチを倒したジャグラーとガイ。
その後ジャグラーは何かと、「ガイを倒すのはこの俺だ」と言うスタンスでウルトラマンオーブやその仲間に対して手を貸してくれるようになりました。
しかしウルトラマンたちに対する嫉妬は消えていませんでした。
③「逃げていい」と言えるヒーロー(ウルトラマンZ)
ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGAの時に「ウルトラマンダイナであるアスカ・シンに自分の行為を否定された」事を根に持っていたジャグラーは、
「自分たちの正義が一番正しい」と思っている連中を見返す方法を探すべく、別の地球で、地球防衛軍の実働部隊「ストレイジ」の隊長「ヘビクラショウタ」として生活していました。
↓ストレイジのメンバー
(左から ヘビクラ、ヨウコ、ハルキ、ユカ、地球防衛軍長官クリヤマ)

隊員のハルキが「ウルトラマンZ」に変身できることを知ったジャグラーは時折、魔人態の姿で戦いに協力したり、時には妨害するという立ち振る舞いをしていました。
また、組織内に潜入した「寄生生物セレブロ」の地球滅亡計画、「文明自滅ゲーム」の動きも利用しながら、自身の計画を進めていました。
↓(セレブロに「寄生された」人間。)

そして地球防衛軍はセレブロの計画にのせられて、最強の兵器「ウルトロイドゼロ」を開発します。

セレブロが「文明自滅ゲーム」を開始しようとしたその時、チャンスを狙っていたジャグラーはウルトロイドゼロ を強奪しました。
そしてハルキ(ウルトラマンZ)の前で自らの正体と目的を明かします。

しかしセレブロは連戦で力尽きたハルキ(ウルトラマンZ)を人質に取り、
「ウルトロイドゼロ を俺に渡せばこいつを返してやる。渡さないなら殺す」という取り引きを持ちかけます。
ジャグラーは一瞬迷ったものの、すでに情が移ってしまっていたハルキの命を選びました。

ウルトロイドゼロ を手に入れたセレブロは、「デストルドス」へと変貌し、自身の進めていた計画を開始。世界に侵攻し始めました。
ジャグラーはストレイジのメンバーを収集し、「最後の戦い」の準備をします。
そして出撃前、隊員達に声を掛けます。

(ウルトラマンZ 25話から引用)
「ここが標的になるかもしれない。本部の連中が殺到する可能性もある……おれは怪しい宇宙人だしな。
危険を感じたらすぐ逃げろ……逃げていい。
これが俺たちストレイジの最後の戦いだ!全員生きて帰って、バコさんのマグロで打ち上げするぞ!」
隊員達を鼓舞しつつ、「逃げてもいいから全員生きろ!」というメッセージを送るジャグラー。
そして最後の戦いに挑むストレイジ。
戦いの終盤、ハルキが命がけでウルトラマンZに変身する事を決意します。


ジャグラー含め全員で「ウルトラマンZ」の名前をご唱和し、ハルキがウルトラマンZに変身。死闘の末、ウルトラマンZはデストルドスを撃破し、勝利しました。

その後ジャグラーは、セレブロを追い詰めます。
しかしセレブロはストレイジの解剖班に捕らえられて、連れて行かれました。


ジャグラーはかつての部下を、今まで見た事ないような満面の笑みで見送り、地球を去りました。

④「ウルトラマンじゃない」から言えた事
ウルトラマンオーブ〜ウルトラマンZで、ジャグラーの生き様を見てきて、
「夢に敗れた人、生きる事に疲れてしまった人にとってのヒーローだな」と思いました。
例えば、学校とか会社の仕事とかが辛くなった時、誰かに相談したら、
「それは甘えだ」とか、「諦めるんじゃない」とか、「人としてなってない」と言われた事がある人は多くいるんじゃないでしょうか?
特に日本人はそういう考えが強いなと思います。
(あと自分の考えを他人に押し付けやすいとこがある?というか)
その結果、人によっては「無理をする事が美徳」とか、「もうやめたいけど、やめたら負けだ」という考えに固執し過ぎて、心身共に病んでしまうことも。
自分も今勤めてる会社でアルバイトで働いているんですが、その仕事をしているのが自分しかいないため、アルバイトとは思えないほどの仕事をやらされることもありました。
ただ、「それでもここで頑張らなければ」「どうせ自分にはこの仕事しかできない」という気持ちに固執していた結果、すごく心身共に疲れていました。
そんな時に、ジャグラーがウルトラマンZの最終回で言った、危険を感じたらすぐ逃げろ……逃げていい。というセリフで気持ちが軽くなりました。
そうか、辛くなったり限界が近いと思った時は逃げていいんだ。と感じました。
ウルトラマンは常にとんでもなく大きな困難に出会っても、常に「諦めない」「最後までやり抜く」「全身全霊で頑張る」というスタンスです。
これはもちろん大切です。ただ、彼らにはそれが出来るだけの力があるからです。
(でも、それは仲間がいるから乗り越えられるということを教えてくれる)
ジャグラーは「自分がウルトラマンになれなかった」「自分の正しいと思ったことを否定された事」に大きく傷ついて、ずっと苦しんでいました。
でもそんな彼が(目的が別にあったとはいえ)「ストレイジ」は自分らしくいられる場所だったんだろうなと思います。
だからこそ「無理しないで逃げていい」って言えたんじゃないかなと思います。
そんな自分はいま転職活動をしています。新たな場所が自分にとって無理の少ない環境だったらいいな笑
と、言うわけで
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ジャグラスジャグラーのイラストです。
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今回触れた作品についてはこちらから(制作 円谷プロダクション)↓
ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA
ウルトラマンオーブ
ウルトラマンZ
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